スペインリーグ2部B・サラゴサBvログロニェス

エスパニョールの試合を見た翌日(11月6日)は、バルセロナからバスでサラゴサへ日帰りで行ってきた。
レアル・サラゴサのAチームはマドリッドでレアル・マドリッドとの試合だったが、サラゴサBの試合があるはずだったので。

レアル・サラゴサBは、スペインリーグの2部B。
1部リーグの下の下だから、日本でいうとJFLみたいなもんかな。

昼過ぎにサラゴサの町に到着して、午後5:00のキックオフまで時間があったから、サラゴサの町を歩いて見てまわり、ちょっと小じゃれたレストランで食事をした。
そのあとで、バスでスタジアムへ向かった。

私はイングランドの2部リーグ(ディビジョン1というか現在のチャンピオンシップ)の試合を見たことはあったのだが、さすがに3部の試合を見たことはなかった。

だから、どれほどの観衆が見に来ているのかと思っていたのだが・・・、わずか100人そこそこだった。
入場料も、わずか6ユーロ(800円)。
日本のJFLと、ほとんど同じような状況だった。

スタジアムの外を歩いて写真を撮ったり、あまりの客の少なさにのんびりしていたら知らないうちに試合開始が近づいていて、スタンドに入ったときにはキックオフの3分前くらいだった(それでも余裕)。

スタンドには仕切りとかフェンスがなくて往来自由だったから、私はバックスタンドで試合を見ようとしたのだが、なんとスタジアムのおっさん(警備というほどたいそうなものではない。単なるスタッフか)にメインスタンドまで連れもどされる始末。
その間に試合が開始されていた。

ここの国はアバウトさが売りのくせに、妙なところだけきちんとしてるんだから。
どこで見たって、100人程度じゃ何の問題もないのに。
ぶつぶつ。

結果は1-2でアウェイのログロニェスの勝ちだった。

私はいつもスタンドの最上段で試合を眺めるのが好きなのだが、あまりにパスがつながらない(パスコースが少ない)と、高い位置から見下ろしていてもおもしろくない。
選手のポジションチェンジも少ないし。

そう思って、試合の途中からはメインスタンドの最前列に移動した。

私が陣取ったのは、アウェイのログロニェスのベンチのすぐ後ろ。
監督さんや控え選手の声が聞こえる。
選手がぶつかったときの音も聞こえてくる。

なんだか、昔サッカーをやっていたころのことを思い出したなぁ。

サラゴサBは前半にリードされて(1-2)折り返したのだが、攻撃しなくてはならない後半もなかなか攻め手がなくて。
攻撃のタレントが限られているというか、ボールを持っているけどつなぐことができない。

個人個人の技術で攻撃を組み立てることができないのであれば、相手より多く動いてボールを動かすしかないわけだが、それもできなかった。

どこの国のサッカーも同じだと思うが、いざ点を取らなくてはならない状況になったときの攻撃というのは難しいものだ。
圧倒的に秀でた能力を持つ選手がいるチームなら話は違ってくるのだろうが。


ただ、グランドに近い位置で試合を見ていた私は、いつになく熱くなってしまった。
これはプレーしている選手の技術がうまいとか下手とかは関係ないようだ。

わたしは外国へ行ってサッカーを見ても日本でも、めったなことでは試合中に熱くなったりしないのだが。
この日に限っては、実はスタンド全体に響き渡るほどの大きな声を発しながら試合を見ていた。

試合の終わったあとで、近くに座っていた地元の人が声をかけてきたから、きっと試合中に彼らは変な日本人がいると思っていたことだろう。
なぜなら、私の発していた言葉は英語やイタリア語のサッカー用語が入り混じっていたのだから。

午後7:00前に試合が終わり、さっさとスタジアムを後にしてよかったのだが、この観衆の少なさなら出待ちも可能だろうと思って選手関係者の出入り口へ行ってみた。

するとその近くで、選手たちがシャワーを浴びている音が聞こえてきた。
サラゴサのAチームが、たとえばバルセロナと試合をしたときには、あそこでロナウジーニョもシャワーを浴びたりするんだろうか、などと考えて笑ってしまったよ。

この日の試合中にいちばんかっこいいなと思ったのは、ログロニェスの監督さんだった。
私の座っている席のすぐ前で、大きな声で選手たちに指示を出していた。
1部であれ2部Bであれ、彼を見ていると監督業の大変さを感じさせられたよ。

そんなわけで、ログロニェスの監督さんが出てきたところで日記帳を取り出してお願いをしてみた(実は彼はスタジアムから出てきたときからずっと携帯電話で話をしており、終わるのをひそかに見計らっていた)。

 “すいません、サインをしていただきたいのですが”
 “君、名前なんていうの?”
 “アキラです”

私がそう言うと、彼は‘Para Akira con afecto di ○○○’とサインをしてくれた。
 (訳:アキラへ 愛情を込めて ○○○より)
彼の振る舞いは本当に紳士的で、心の底から敬服させられたよ。
帰国した今でも、今度はログロニェスへ行って彼にもう一度お礼を言いたいと思ってる。

洗練されたクオリティのバルセロナのサッカーや、熱狂的なセビリヤのサポーターはとても印象的だった。
でもね、単にサッカー場でサッカーを見る以外にも、サッカーを楽しむ要素があってもいいんじゃないかって思う。

この日の試合はガラガラのスタンドでおこなわれたけど、私にとって忘れられない思い出になったよ。
質の高いサッカーや、エキサイティングな試合を見なくても、心に刻まれるものはあるってことだよね。

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  ログロニェスの監督さんです
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by akira-takeuchi | 2005-11-26 20:58 | サッカー
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