“On va voir.” ですか・・・

日本時間今朝のスペインvフランスはいい試合になったね~。期待にたがわぬ好勝負という感じ。一発勝負のトーナメントになると、先制点が勝敗の行方を左右する度合いが大きくなる。それゆえ、どちらかというと守備的で動きの少ない試合になるケースが多いものだけど。この試合では全部で4点も入ったし、しかも逆転の試合ってのは見ごたえがあったと思う。試合全体の展開や流れについてはほかの人に譲るとして、ここは後半ロスタイムに決めたジダンのゴールについて語っておこうと思う。

後半のロスタイム、左サイドでボールを受けたジダンはゴールへと突進し、ディフェンダーを一人かわしてゴールを決めた。このシュートシーンで、スペインのゴールキーパーはシュートとは反対の方向に飛んでしまったのだが、これは完全にジダンのフェイントにはまった感があった。これを見て思い出したのは2000年の欧州選手権・準決勝、ポルトガルvフランスの試合の延長戦で決めたジダンのペナルティキック(ゴールデンゴール)である。
このPKのシュートシーンで、ジダンは身体を右側に向けて助走し、軸足である左足のつま先をわざと右側に向けて踏み出しながら、身体をねじるようにして足を交差させ右足のインフロント(またはインサイド?)でゴールの左上隅へ向けてシュートを放っている。昨日の試合で見せたのもまったく同じフェイントなのだが、こんなフェイントを至近距離で決められたらゴールキーパーはたまったものではないだろう。当然、ボールが蹴られるのとは逆の方向に飛んでしまうわけで・・・。
そのような理由でジダンの3点目のシーンは、私に2000年の欧州選手権でフランスが制覇したことを想起させた。果たして今後、6年前の記憶がさらによみがえるかどうか。

そしてフランスの準々決勝の相手はブラジル。W杯の準々決勝でフランスvブラジルの対戦といえば、1986年メキシコ大会、グアダラハラ・ハリスコスタジアムでの死闘を思い出す。現地時間正午キックオフとなったこの試合は、1-1で迎えた後半30分過ぎに途中出場したジーコがPKを失敗(GKバツがセーブ)。そして延長戦を戦っても1-1のまま勝負がつかず、ソクラテス、プラティニなどの名手がキックを失敗する波乱のPKシュートアウトの末にフランスが準決勝に進出した。

過去の歴史を切り離して考えてみても、昨夜のフランスは非常にいい勝ち方をしたと思う。その勢いと、逆転勝ちした精神的な強さがあれば世界王者・ブラジルを相手にしてもいい勝負を演じることができると思う。一番重要なことは、過去にブラジルを撃破して勝利(優勝)した味を知る選手がいることだ。勝利した経験を持つことは、勝利するための条件のひとつでもある。この理由により、イングランドとポルトガルがブラジルに勝利するとは思えない。もしこの大会でブラジルが決勝戦に進めなくなるとするなら、次の試合以外にありえないだろう。

試合後のミックスゾーンで次のブラジル戦について聞かれたジダンは、一言だけ“On va voir.” と答えていた。敢えて英語に訳せば“You will see.”とか“Let's see.”。直訳すれば‘見てみよう’とか‘見るだろう’だが、そこにある意味合いは『今に分かるよ』。そのときが待ち遠しい。
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by akira-takeuchi | 2006-06-29 01:36 | サッカー
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