潮時でしょう

中田英寿が公式サイトで現役引退を表明したようだ。彼らしいやり方といえる。自身のホームページで今回のドイツW杯が最後であると強調していたから、W杯終了後に多くのファンからやめないでほしいとメールが寄せられていたと聞く。たしかに一抹の寂しさを禁じえない心境ではある。

ただ、私個人はこのあたりが彼にとって潮時だと思う。彼は05-06シーズン、イングランドの超一流クラブとは言いがたいボルトン・ワンダラーズにレンタル移籍した。にもかかわらず彼は出場機会に恵まれることもなく、カップ戦要員としての役割しか与えられていなかった。たまにプレミアシップの試合に出場しても、相手の攻撃のスピードについていくことができないシーンを見てサッカー選手としてプレーが衰えているように感じていた人もいたのではないだろうか。シーズン終了後にボルトンは中田との契約を延長しないことを明らかにしていたが、それ以外のチームが中田を獲得するという話がまったくなかった。今さらJリーグに戻ってくることは彼のプライドが許さないだろうし、そうすればサッカーから離れるしか方法がないのではないかと思っていた。だから彼の決断を尊重したいと思うし、やめないでなどと言うつもりもまったくない。

正直なところ、ベルマーレ平塚に入団したころの中田はもっと表情が明るくて生き生きとしていて、心の底からサッカーを楽しんでいる選手のように思えていた。しかし年を経るごとに修行僧のような表情でプレーしていることが多くなり(特に日本代表でプレーしているとき)、その様子を見て気の毒に感じることも多かった。あまりに大きすぎるストレス(周囲の期待の裏返しでもあるのだが)のため、彼がサッカーを楽しめていないように思えていた。だから彼自身も引退を発表して、どこかほっとした気持ちでいるのではないだろうか。

以前、彼は大学へ通ってみたい(学位をとりたい)と語っていたことがある。彼ほど外国語が堪能であれば、日本に帰ってこなくても大学に通うこともできるだろう。大学でどんなことを学んでみたいと思っているのかは分からないが、強い意志があれば今から勉強にいそしむことも可能だと思う。彼の今後の人生に期待したい。これまで我々に希望を与えてくれてありがとう。
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by akira-takeuchi | 2006-07-04 01:47 | サッカー
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