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J2第25節・ファジアーノ岡山v愛媛FC

ここ数ヶ月、W杯や高校野球を見る日がつづいていたため、地元のサッカーを見に行く機会がなかった。世界最高峰のW杯にしても、負けたら終わりの高校野球にしても、よほどの天変地異でもない限り優先順位は地元のJ2より上なので、仕方ないと言うしかなかろう。そんなわけで久しぶりにサッカーを現場で見たが、仕事に忙殺されていた日常を忘れることができ、非常にいい気分転換になった。すべての瞬間においてさまざまな選択肢(パスコース)が存在し、状況が流動的に変わりつづけるサッカーは、スタンドから見ていて頭の刺激になる。また機会があれば近いうちにサッカーを見に行きたいと思うし、地元でJ2の試合をしてくれる選手たちにはこの場を借りて感謝申し上げたい。

試合の前半は、愛媛が完全に試合を制圧した。正直なところ、J2の下位チームでもこれほどまでにやっているサッカーが違うのかと思うと愕然とした。ファジアーノ岡山の試合を見るのは4ヶ月ぶりだが、4ヶ月たっても何も変わっていない。このチームに巣食った病根は、まったく解消されていなかった。選手の技術によるものか戦術的なものなのか、はたまた暑さによる疲労の蓄積によるものなのかは分かりかねるが、岡山はボールを奪っても選手の動き出しが遅くて運動量も少なく、相手ゴール前までボールを運ぶことすらできない。愛媛にいいようにボールをつながれ、岡山は中盤で選手がボールを追いかけて右往左往するばかりだった。前半の15分過ぎに愛媛#19がGKのはね返りを押し込み、前半終了間際には#9がGKと1対1になってループで決めて0-2とした。

しかし後半の岡山は、見違えるようによくなった。後半開始から交代出場した#11と#9がどのように効いていたのか、私の座っていた位置からは分かりにくかったのが残念だが。後半開始早々に左サイドをえぐり、こぼれたところを#7が押しこんで1点を返した。1点を返して勢いづいた岡山は中盤でもパスが回るようになり、後半の半ばには愛媛#4が2度目の警告で退場となり数的優位に立った。その後も再三のように愛媛ゴール前まで攻め込み、セットプレーが相次いだが、同点ゴールを陥れることなく1-2のままでタイムアップの笛を聞いた。

その試合まで全勝のチーム同士が対戦する高校野球なら負けて惜しかったということもできるのだろうが、ここまで3連敗中のファジアーノ岡山に対して惜しかったと言うことはできまい。前半から腰の引けた試合で攻撃することがまったくできず、愛媛のシュートの雨あられ。挙げ句の果てに2点のビハインドを許しては、連敗脱出への道のりは最初の45分で遠のいていたといえる。特に愛媛#9に許した2点目は、中盤でもう少しハードに詰めていれば#9にボールを与えることもなかったわけで、選手の意識の問題もあろうがもったいないの一言である。しかしながらこの愛媛の2点目のときに、あからさまな反則があったものの主審は大きなジェスチャーでプレーオンを指示し、ゴールが決まったあとでイエローカードを提示していた。この判断は見事だったと思うし、この主審の判断を見ることができただけでも今日の試合を見に行った価値はあったというものだ。

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そういえば、後半途中に愛媛#9が倒れたとき、DFラインでボールを奪った愛媛の選手はプレーを止めるためにボールを外に蹴りだした。にもかかわらずそのあとのスローインで、ファジアーノ岡山は当たり前のようにマイボールの攻撃を続け、相手にボールを返そうとはしていなかった。ピッチ上でのプレーの質が低レベルなら、プレーのマナーも最悪。こんなチームに存在意義を見出すことすら難しく思え、失笑するしかなかった。それと久しぶりにサッカーの試合会場に訪れたが、相変わらず続いているKankoスタジアムの横柄なアナウンスと、得点チャンスのときに観衆が回すマフラーが気になった。そもそも日本のスポーツ界で最初にマフラー(厳密にはタオル)を回したのは、千葉ロッテのファンだったはず。だから自分の背後に客がいることも気にせずスタジアムでタオルを回すのは、ロッテファン以外は禁止!!(笑)タオルは布が小さいからまだ許されるが、あんなに長いマフラーをチャンスのときに目の前で回されては、視界をさえぎられて迷惑も甚だしい。この訳の分からない風習だけは、早いうちにどうにかしてもらいたいものだ。日本のサッカー文化が低レベルであることの象徴である。

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by akira-takeuchi | 2010-09-13 22:23 | サッカー

W杯南アフリカ大会・スペインの優勝に思うこと

W杯南アフリカ大会が、スペインの優勝で成功裏に閉幕した。実際にはプレス関係者が身ぐるみはがされたという話もあったようだが、大会前にはちゃんと運営されるのか懐疑的な見方もあったのだから、おおむね評価される大会だったと言ってよいのだろう。ここ2大会は現場へ行っていた私も、治安が悪いという理由で南アフリカへ赴かなかったことを後悔している。現地から届く映像を見ていると、地元の人々が好意的で活気にあふれているような印象を持ったからだ。4年後に開催されるブラジル大会は日本から遠い大陸ではあるけれど、現場へ行くことを真剣に考えたくなった。W杯が遠い存在であればあるほど、それにたどり着きたいと思うのは人の性であろうか。

ところで決勝戦の印象であるが、最初に思うのはPK合戦で決着しなくてよかったということだ。それが美しいにせよ汚くて醜いにせよ、ピッチで展開されたサッカーの要素で優勝チームが決まったのだからよしとせねばならないのではなかろうか。少なくとも、PK合戦というサッカーとはまったく別の要因で優勝チームを決定するのは興醒めだし見るに堪えない。そう考えると、イニエスタはよくぞゴールを決めたものだと思う。120分近く走りまわったあとであのポジションに上がってきてパスを受けてシュートを決めたのだから、恐るべしと言わざるを得まい。反則覚悟でスペインの攻撃を寸断しつづけて10人になったオランダの最後の息の根を止める一発は、私の脳裏にも永く刻まれることだろう。

とかく決勝戦はそれまでと同じことが出来なくなると私は書いたが、オランダは少しヒートアップし過ぎてしまったようだ。4年前のドイツ大会でも、敗れたポルトガルとの試合では2人も退場者を出している。今回の決勝戦でもレフリーがもう少しルールに厳格に判定すれば、オランダはあと1人か2人は退場になっていたはずで、さすがの私も目を覆いたくなるようなファウルがあった。ヨハン・クライフに率いられた74年のオランダは美しいサッカーを展開しておきながら、決勝戦ではフォクツをはじめとするドイツ人の反則によって試合を壊され、そして逆転負けを喫した。今回はスペインのパスワークを寸断し、サッカーという競技の体をなさないような試合に持ち込もうとしたが、それでも延長戦の末に敗れてしまった。どんな手立てを尽くしても、オランダはW杯の決勝戦では勝てないことになっているのかもしれないという印象である。

いっぽうのスペインであるが、かような攻撃型のチームが最後まで勝ち残ったことはサッカーの未来に希望を抱かせる結果であったといえよう。やはりサッカーは、まず攻撃ありきであってほしいと思う。ただ、あれほどボールポゼッションで優位に立ったスペインでさえ、決勝トーナメントの4試合はいずれも1-0(ウノ・セロ)の試合になってしまった。かのスペインのサッカーをもってしても、戦術的な進化を遂げた現代サッカーの守備的戦術を切り崩すのに苦労した証であり、これこそが現代サッカーの病根ともいえる。ボールを保持しているだけでは勝てないのがサッカーの持つ競技特性だが、もう少し得点が入らないと見ている側はおもしろくない。得点数の減少は今大会で使用されたボールにも要因があると言われているが、ボールをつくる科学的技術が進歩を遂げた結果、得点が減少するのは本末転倒ではなかろうか。

私個人の印象を正直に語ると、勝負弱さが伝統であるスペイン代表が勝ち残ったことには一抹の違和感を禁じえない。決勝戦で7試合目となるスペインの試合を見ていても、カタルーニャ人のシャビとレアル・マドリードのシャビ・アロンソ(ちなみに彼はバスク人であり彼の父親はFCバルセロナのプレーヤーであった)のパス交換にはどこか馴染めない感覚があったし、FCバルセロナ所属であるイニエスタの決勝ゴールにマドリッド市民が熱狂するという現実は映像で見てもどこか虚構の出来事のように思えてならなかった。ネットで知りえた情報によると、優勝が決まった瞬間にカシージャスとプジョルが真っ先に抱き合う姿を見て感動したとアスカルゴルタが言ったそうだ。どうやら私と同じような感覚を抱いていたのは、ほかならぬスペイン人だったのかもしれない。

こんなことを感じるのは、私がカスティヤーノ(スペイン語)を流暢に話すがカスティーヤ(マドリッド)を訪れたことがなく、カタルーニャ地方とバスク地方しか訪れたことのない特殊な日本人であるためかもしれない。しかしそれでも、土着意識の強いスペインという統一国家において、カスティーヤ人とカタルーニャ人がパス交換をしながらゴールを目指す姿は奇妙な光景と私の目には映ってしまう。だからカスティーヤとカタルーニャとが互いにしのぎを削ることで伝統を築いてきたスペインサッカーを取り巻く現実が今後はどのように変化していくのか興味深く見つめていきたいと思う。そして今回のスペイン代表の優勝で国家がひとつにまとまったと報じられており、代表チームの優勝がカタルーニャやバスク地方で続いている独立運動などの政治の面にどんな影響を与えるのだろうかなどと、日本人でありながら気になってしまう。ひとりのワールドトラベラーとして、スペインという国の魅力は地域ごとの独自性だと認識していたが、その魅力にさえも何かしらの変化をもたらしそうな今回のスペインの優勝であった。
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by akira-takeuchi | 2010-07-15 01:16 | サッカー

W杯南アフリカ大会・決勝戦はオランダvスペインの組み合わせに

W杯南ア大会の決勝戦の組み合わせがオランダvスペインに決まり、あと数時間でキックオフされる。ともに初優勝をかけた試合となるわけで、新たなサッカーの歴史が作られることになったことをうれしく思う。さらに言うと、これまで欧州のチームは欧州開催の大会でしか優勝したことがない。欧州外で開催される大会で欧州のチームが優勝するのは、W杯の歴史において歴史的なことだと思う。大会前の私の予想では決勝戦はブラジルvドイツの組み合わせだったが、この2つのサッカー大国を破ったオランダとスペインが決勝戦で激突するのだから、私の見る目がなかったということだし、オランダとスペインがこの2国をサッカーの要素において上回ったということなのだろう。

ただ、美しいサッカーを展開するわりに気ままで自由奔放な国民性が災いしてか、これまでどこか勝負強さに欠けるこの両国の対戦となったのは、ちょっと意外な気もする。そもそも近年チャンピオンズリーグの隆盛とともに、欧州ではナショナルチームの意義が薄れてきていると思うから、ゲルマン魂とかライオンハートなどというファイティングスピリットが勝負の要素とはなりえなくなったのだろう。その結果ドイツやイングランドは、敗れた試合ではさしたるインパクトも残さないまま、あっさりと帰国を余儀なくされた印象だった。さらにフランスなど一部のチームでは内紛が勃発していたようだが、W杯に出場することが選手にとってさしたる価値を持たない時代になったと思わされる象徴的な出来事だったといえる。生きるか死ぬかといった類のぎりぎりの勝負ではなくなった現代のW杯において、美しいが勝てないオランダと勝負弱さが伝統のスペインが勝ち残ったのは、ある意味においてサッカー界の変遷を反映していると思うし、これから先のW杯があるべき姿を投影しているのかもしれない。

その決勝戦であるが、スペインに一日の長があると考える向きが多いようだ。たしかに準決勝のドイツ戦でも、スペインにボールが渡るとそう簡単に奪い取られることはないように感じた。ドイツ守備陣はスペインのボール回しを追いかけて走らされ、完全に消耗してしまった。同じことが決勝戦でも可能であれば、オランダも消耗し尽くしてしまうだろう。しかし個人的な経験から感じることだが、この決勝戦という代物は、それまでに出来ていたはずのことが出来なくなる性質の試合だ。チャンピオンズリーグや国内リーグでプレッシャーのかかる試合を数多く経験しているスペイン代表の選手といえども、このW杯の決勝戦でもこれまでの試合と同様にプレーできるかどうか、彼らの真価が問われるといえるだろう。

オランダはトータルフットボールを世に広めた国ではあるが、今大会はちょっと印象が異なる。全員で美しくプレーするというよりも、守備から入るチームに方向転換した節が感じられる。守備を固めておいて、奪ったボールをすばやく前線に展開してスナイデルやロッベンの個人技に任せるスタイルは、イタリアのような印象すら受ける。それほど中盤がないという点では、ドイツのようにも思える。となるとオランダは、前線の選手が守備に追われることなく攻撃にからむことが重要だ。スナイデルやロッベンが守備に追われるようだとスペインが有利になるだろうし、この2人の選手が個人技で突破をくりかえすならオランダが有利に試合を運ぶことだろう。

個人的な印象としては、どちらのチームが勝っても心から喜ぶことができる組み合わせだ。なぜなら、欧州の国どうしが初優勝をかけて決勝戦を戦うのだから。オランダもスペインも過去に何度も訪れたことのあるヨーロッパの国だし、いい思い出ばかりが脳裏に刻まれている。どちらの国が勝ってもおめでとうと言えるし、この決勝戦の組み合わせに今から乾杯したい心境だ。勝負の神様は1チームの勝者しか認めれくれないが、今日ばかりはこの神様を呪ってしまいたい。
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by akira-takeuchi | 2010-07-12 00:36 | サッカー

W杯南アフリカ大会・グループリーグ終わった

今回の大会は現場へ行かなかったので、お茶の間で見たい放題テレビ観戦できる。自宅でW杯を見ることがこれほど楽なことだったとは、この12年間忘れていた感覚だ。実際のところ、現場へ行くと実際にスタンドで見る試合以外は、ニュースですら見ることはほとんどない。だから、どこのチームが勝ち進んで決勝トーナメントがどんな組み合わせになるかなんて、翌日の新聞を見るまで知らないなんてことはざらである。そんなわけで現場へ行っていると、大会に関わっているのにある種の疎外感のようなものを感じていたから、今回はフルにすべての試合に関わっているような錯覚を覚える。

そんなわけで、一次リーグの試合をテレビで20試合くらい見たが、まず驚きに値したのはニュージーランドだ。過去のW杯の歴史で勝ち点を挙げたこともなかったチームが、3試合連続の引き分け。これまでニュージーランドではW杯と言えばラグビーだったのだろうが、今大会を機にフットボールにもW杯があると知ったニュージーランド人は多かったことだろう。ラグビー人口が減少してサッカー人口が増えてしまっては困ろうが(実際に豪州ではそのような現実があるらしい)、来年ラグビーのW杯を開催するニュージーランドが今後W杯出場国の常連となるのかもしれない。

そして次に驚いたのがスロベニアだ。ロシアをプレーオフのアウェイゴール数でくだして本大会に出場したとはいえ、正直なところ私は少しスロベニアを見くびっていた。勤勉で個人のテクニックにも優れた11人が揃うスロベニアのサッカーをもっと見たいと願ったのだが、残念ながらイングランド戦のラスト30分ほどはイングランドにスタミナ面でもフィジカル面でもやや引けをとってしまい、前半に奪われたリードを追いつくことなくタイムアップの笛を聞いた。同時刻にキックオフされていた試合が終了間際のドノバンのゴールで米国が勝ったため、スロベニアのW杯はその瞬間に終わりを告げてしまった。またスロベニアのサッカーを見るのに4年(欧州選手権も含めれば2年だが)も待つのはあまりに長い歳月と言わざるを得ない。岡山県とほぼ同じ人口の国が日々の日常でどのようなサッカーを展開しているのか、その国内リーグを一度この目で確かめにスロベニアという国へ赴いてみたいものだ(今回の大会に出場している選手の多くは国外でプレーしているが)。

最後に開催国についてであるが、正直なところ南アフリカというと治安が悪い国というイメージしか抱いていなかった。旅行者の間でヨハネスブルクは治安が世界最悪と言われるのだから、それも無理からぬことであるが。しかし大会を通じて届く映像を見るかぎり、それほど治安がメチャクチャな国でもないように思えてきた。少なくとも、町行く人がすべて泥棒というわけではなさそうだ。治安だけでなく気候や食生活も違うため、胃腸の弱い私にとってアフリカ大陸という地はたしかに非常に高いハードルではある。しかしもしこの世に生を享けているうちにかの大陸を訪れることができたら、きっとそれは私の旅の歴史で大きなアチーブメントになるのだと思えるようになった。一次リーグの試合でスタンドには空席が目立ったが、その空席が私とアフリカ大陸との距離感をあらわしているのだと思うし、もし次にアフリカ大陸のどこかでW杯が開催されたなら、あの空席を私の身体で埋めてみたいものだ。

そして今夜おこなわれるドイツvイングランドは、私の旅の経歴に影響を与えた試合である。66年のW杯イングランド大会の決勝戦や70年メキシコ大会の準々決勝はリアルタイムで知らないが、トリノでおこなわれた90年のイタリア大会準決勝は私の脳裏に深く刻み込まれている。10年ほど前にユベントスの試合を見に、今はなきデッレアルピを訪れたが、スタンドについた瞬間に思い出したのはPK戦にまでもつれ込んだこの試合だった。さらにウェンブレーでおこなわれたEURO96イングランド大会の準決勝も印象に残る試合のひとつだ。この試合のPK戦でアンドレアス・メラーが決めた最後のペナルティキックは、いまだに私の脳裏から離れない。クロスバーに強くヒットして高い金属音とともにゴールネットに吸い込まれたあのPKと、それ以外の5人のドイツ人キッカーがことごとくサイドネットの上隅に沈めたペナルティキックは、外国でサッカーを見たいと思う私の背中を強く後押しした。蘭白共催となったEURO2000でも、この両国はグループリーグで対戦。その試合がおこなわれた日、私はオランダのアーネムでポルトガルvルーマニアの試合を見ていたし、その試合のあとでテレビでドイツvイングランドの試合を見た記憶がある。

これほど幾多の名勝負が残るドイツvイングランドの対戦は、歴史的背景もあって必要以上にヒートアップする。W杯は国家の威信をかけているとか、W杯では内容は二の次で勝つことだけが正義だとか、いろいろ論う人は多いが、さすがにこの対戦にかぎっては私も同調せざるを得まい。もし私がこの試合の現場に居合わせていたら、ゴッドセイブザクイーンを歌っていることは間違いないだろう。個人的にイングランド、そして英国に対する敬意を忘れてはいない。なぜなら私がはじめて訪れた外国がイングランドだったのだから。その選択が間違っていなかったから今の自分があるのだし、その後に欧州のほとんどの国でサッカーを見ることができたのだと確信している。しかし私の知る1980年代以降、代表ではイングランドはドイツの後塵を拝することの多いこと。その大いなる潮流は、少々のことでは変わりそうにないと事あるごとに痛感させられる。ゲルマン魂とライオンハート、ともに不屈の精神をもった民族同士の対決、そして伝統的に中盤のないサッカーでエンターテイメント性に乏しい国同士の対決、語りつくせばきりがないが、今夜の試合が私を今度はどこの町へ旅立たせるのだろうか。
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by akira-takeuchi | 2010-06-27 21:51 | サッカー

W杯南アフリカ大会・決勝トーナメントへ

昨日でW杯の一次リーグが終了した。全体的に欧州勢が不振だと言われる。フランス、イタリアが3試合で帰国の途に着くと大会前に予想した人は、かなり少数派だろう。しかし、商業主義が蔓延した現代サッカー界の過密日程のせいで、ヨーロッパの選手は全体的に疲弊してしまっている。それに加えて準備期間が短いのだから、調子が上がらないままに敗退が決してしまうことは想像に難くなかったというのが私の印象である。逆に言うなら、最終戦で決勝トーナメント進出を決めたイングランド、ドイツ、ポルトガル、スペインは立派だったといってよいだろう。だが、この2チーム同士が次の試合で対戦することになるとは、欧州勢にとって気の毒としか言いようがない。オランダもスロバキアとの対戦となるので、ベスト8には欧州から3チームしか進出することができない組み合わせになってしまった。90年代中盤のボスマン裁定以降、ヨーロッパへの一極集中に加速が進んだ現代サッカー界のヒエラルヒーに、そろそろメスが入ってもいい頃ではなかろうか。さもなくば、W杯はこれからもスポイルされ続けることになる。実際のところ、チームの完成度や試合のエンターテイメント性では、チャンピオンズリーグのほうが秀でているのは間違いないのだから。

そんな現代のW杯では、すでに巨額の富を手にした欧州の選手よりも、自分をアピールする場と捉える選手のほうがモチベーションが上がりやすいのだろう。南米から出場した5ヶ国がすべてベスト16に残ったのは、その象徴的な例といえる。アフリカは、20年ほど前までは個人の能力がすば抜けていた印象があるけれど、ある種の戦術にのっとってプレーする近年はどこか凡庸に感じられる。なんとなく欧州化したせいで、荒削りなその魅力が薄れてしまった。さらに近年、若いうちから欧州に渡るアフリカ人選手が多くなったせいか、ヨーロッパ人のように個々の主張ばかりが強くなっては、チームとしてまとまって勝ち進むことは難しいのかもしれない。その他では、米国、メキシコ、韓国、日本がベスト16に勝ち進んだ。北中米の米国、メキシコはともかく、アジアから2チームも勝ち残るとは衝撃的である。大会前からある程度の評判を聞いていた韓国はさておき、日本が勝ち残るとはまさにミラクルである。グループリーグで対戦したカメルーンやデンマークがお粗末だった側面は否めないが、いったいどのような魔法をかけるとチームがこれほど見違えるのだろうか。

そして決勝トーナメントからは、すべて一発勝負の世界になる。ここからが本当のW杯とも言えるし、予定調和の世界とも言える。過去に勝ったことがあるかどうか、これこそが勝つための条件である。その証拠に、W杯の決勝戦に進出したチームで優勝経験がなかったチームはこの30年で12年前のフランスだけ。さらに遡るなら、初優勝をかけてアルゼンチンとオランダが対戦した78年大会ということになる。そんなわけで決勝戦の組み合わせを予想すると、やはりブラジルvドイツまたはブラジルvアルゼンチンということになる。アルゼンチンは一次リーグの出来がよすぎたので、逆に先に失点したときなどに一抹の不安が残る。ドイツは次の相手がイングランド、勝ってもアルゼンチンという厳しい組み合わせになった。ブラジルは準々決勝で対戦することが見込まれるオランダが最初の山といえる。それ以外のベスト4は、実力が伯仲していてどこが勝ち進んでもおかしくない。南米勢は堅実だし、南米予選で高地での試合を強いられているので、チリ以外の4チームが南米からすべてベスト4まで勝ち残っても驚きには値しないだろう。

そして日本についてであるが、繰り返しになるがこのブログを書くに当たってまだ次の試合を控えているというのは驚きである。大会前に3試合で帰国の途に着く一番手に挙げていたのが日本だったのだが。しかし日本の世論というのはいい加減なものである。大会前にあれだけ批判的なことを書き並べておきながら、ちょっと2試合勝っただけで浮ついた記事の多いこと。挙げ句の果てに優勝までいけるというのには失笑を禁じえない。ベスト16に勝ち残ったこの段階で日本代表に関して書かれた個人のブログの批判的な記事に、サッカーを見る目がないだのとコメントが多数寄せられているのを見かける。そんなコメントしかできない低俗な連中は結果論でしか語ることができないわけで、サッカーの本質やW杯の難しさなどが理解できようはずもない。私個人は、大会前にまともなチーム編成もできなかった日本の監督に対しては批判的な考えを変えていないし、マグレ(奇跡的に決まった2つのFK)で勝ったからといっていい気になるなと思っている。細かく見ていくと、日本はDFに小さな失策が非常に多いし、中盤でミスしてボールを与えなければ日本にゴールを許すことはないように思える。次の対戦相手であるパラグアイは、見た感じは日本より中盤の動き出しが速いので、そのあたりを生かそうとするのではなかろうか。日本と同様、パラグアイもベスト8に進出したことはない国。98年のW杯でジダンのいないフランスと対戦し、延長戦にまで持ち込んだもののローラン・ブランにゴールデンゴールを許した悔しさを晴らすには、日本のような国との対戦はいい機会だと思っていることだろう。
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by akira-takeuchi | 2010-06-26 23:41 | サッカー

W杯南アフリカ大会開幕

あと数時間でW杯が開幕する。私にとって12年ぶりに家でテレビ観戦する大会となる。現地へ赴くためには、多大な体力、財力、そして強い動機付けが必要だ。今回は治安に特殊な要素を抱える国での開催だけに、お茶の間でテレビ観戦するほうがお気楽極楽というものだ。ワールドトラベラーとしては南アフリカという国にあまりいい印象を持っていないだけに、いまだにW杯が開催されることに懐疑的にならざるを得ない。本当に南アでW杯が開催されるのは現実なのかと思わされてしまう。

今回の開催国はアルゼンチン大会以来の南半球での開催、さらにメキシコ大会以来の高地での開催となる。これらの要素が、試合展開や結末に多大な影響を及ぼすのではないかと思う。私は世界各国を旅して回ったが、標高が高いとか赤道を越えて気候が変わることに順応することは生物学的に簡単ではない。それゆえ、温暖な北半球からやって来る欧州やアジアの人々は、今大会で苦労するのではなかろうか。

それゆえ、せまい欧州での予選でいいパフォーマンスを見せていたからといって、必ずしも欧州列強が上位進出するとは思えない。選手層が必ずしも厚いとはいえないフランス、ポルトガルあたりは、一次リーグでの敗退も十分に考えられる。A組は高地に慣れている地元南アと、南半球からやって来たウルグアイが決勝トーナメントに進むと思う。B組は、実力だけならアルゼンチンとナイジェリアだろう。この両チームが初戦で激突するので、もしどちらかが敗れれば韓国にもベスト16へ進む可能性がある。C組からはイングランドにはとっとと帰国してもらいたいものだ。プレミアシップで疲弊した選手たちが、寒くて標高の高い国で7試合すべてでパーフェクトなパフォーマンスを見せることが可能とは到底思えない。イングランドは初戦の米国戦でしくじって引き分け、C組2位になってD組1位のドイツと決勝トーナメント1回戦で対戦し、帰国の途につくことを希望する。C組は米国とイングランド、D組はドイツと豪州が勝ち抜けると見る。

ここまでは結構メチャクチャなことを書いてみたが、E組は強いところが勝ち抜けそう。それほど際立って日本が弱い。オランダとカメルーンで決まりかな。デンマーク人は寒さには強いだろうけど、平らな国なので標高の高いところでは勝てない(笑)。F組はイタリアがスロースターターぶりを発揮しそう。実力的にはちょっと差があるが、パラグアイとニュージーランドが勝ち抜けてイタリアが一次リーグで敗退しても、驚きには値しないと思う。というか、あまり情報のないニュージーランドのサッカーをたくさん見てみたいものだ。G組はさっき書いたとおり、8年前と同様にポルトガルはとっとと帰国の途につく。勝ち抜けるのはブラジルとコートジボワール。そしてH組はスペインの呼び声が高いけど、初戦のスイス戦でしくじれば一次リーグ敗退もある。スイスは比較的標高の高い国だ。いっそのこと、スペインには3試合でバカンスに行ってもらい、チリとスイスが勝ちぬけてもらうことにしよう。

・・・と、こんな感じが最初の48試合の予想。というか希望だな。できれば普段の欧州リーグで見ている選手にはとっととお引き取りいただいて、あまり見る機会のない国のサッカーを楽しんでみたいと思う。そして最終的には、ブラジルとドイツの決勝戦。そんなわけでフランス、ポルトガル、イタリア、スペインには、早々とバカンスを楽しんでもらいたい。そして治安が悪いと言われる南アフリカという国が実際にはどんな国なのかを、今回の大会を通じて知りたいと思う。
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by akira-takeuchi | 2010-06-11 22:17 | サッカー

J2第10節・ファジアーノ岡山vギラヴァンツ北九州

今季からJ2に昇格したギラヴァンツ北九州相手に後半30分過ぎに退場者を出し、かろうじて地元で0-0の引き分けに持ち込むのが精一杯というのが、現在のファジアーノ岡山の実力というものだ。日本サッカー界全体の抱える問題ともいえるのだが、なぜかここの国では地元で強いチームが少ない。遠征先へ移動する手間もないし、スタンドには味方になってくれるサポーターが集結している。にもかかわらず、なぜかホームで実力と同じかそれ以上の力を発揮できないチームが多い。隣町と張り合いながら発展し、都市国家を基盤とした土着主義に根ざしたヨーロッパのサッカーとは異なり、中央集権国家ではホームとビジターの違いが判然としない影響なのだろうか。

今シーズンからJ2に昇格したギラヴァンツには、それなりに注目していた。事前のリサーチどおり、フォーメーションは4-4-2(マッチデープログラムには違う組織図が描かれていたが)。しかしファジアーノと同様、ギラヴァンツには効果的なサイドチェンジもなければ、サイドバックの攻撃参加もない。前方に広大なスペースがあるのに、無駄な手数をかける分だけ、どうしても攻撃がワンテンポ遅れる。根本的に抱える問題は、ファジアーノもギラヴァンツも同じなのだと思わされた。

そもそも拡大を急いだJ2では、上位チームと下位チームとの間の力量差が大きすぎる。ファジアーノのような弱小チームがJ1から降格してきたチームと試合をするときは、地元でも敵地でも引いて守ってカウンター狙い。それしか攻め手がないのだから、あれこれ指示しなくてもチームとしてまとまりやすいといえる。しかし同程度の力量のチームが相手だと、どのようにして敵陣ゴールまでボールを運ぶのかというその手法すら判然としなくなる。結局点が入るのは、偶発的な相手の失策に援助されたときか、相手が消耗して守備がお留守になったときだけ。普段からどんな練習をしているのだろうと考えさせられてしまう。

今では海外のサッカーを映像でも現場でも簡単に見ることのできる時代になったが、バルセロナやアーセナルのような攻撃哲学に基づいて展開されるサッカーを現場で一度でも見て知ってしまうと、ファジアーノのやっていることが同じ競技とは思えなくなる。昨年から言い続けているが、まずはどのようにして相手ゴール前へと至るのか、試合でその道筋をはっきりと示すことができるようになってほしいと思う。もしそうであれば、シュートがゴールに決まらなくても文句を言うつもりは毛頭ない。しかし現状のファジアーノがやっていることは、15ドルもの大金を取って見せるほどのものではない。

観衆に対しても言いたいことは山積している。後半になってファジアーノは3人の選手交代をしたが、そのあとでDFがこの日2度目の警告で退場になった。もう選手交代はできないのだから、判断能力のある人間なら一度警告を受けたら際どいプレーは避けるものだ。にもかかわらず2枚目のイエローをもらって退場処分になった選手に対して、スタンドからはよくやった風の拍手が起こっていた。明らかにほかの選手の足を引っ張っておきながら、退場になった選手にブーイングのひとつもないことには違和感を禁じえない。これとは別の場面で、あからさまなDFの失策で相手FWにボールを与えておきながら、相手FWがシュートを外すと拍手して喜んでいる観衆を見ていると、この人たちはサッカーの本質をわきまえているのかと疑ってしまうし、こんな観衆に囲まれてプレーしている選手が不憫にすら思えてくる。

ファジアーノ岡山は、3年計画で昇格争いのできるチームになることを目標に掲げているらしい。しかしそれ以前に、この状態でサッカーが根付くのかと勘ぐってしまう。かりに観衆が集まるようになったとしても、間違った根付き方をしたら目の肥えたサッカーファンはファジアーノの試合を好きこのんで見に来ないように思えるし、いつまでたってもチームは強くならないだろう。いずれにしても、ふつう草サッカーでもDFがミスして相手にボールを与えたら、ベンチから怒鳴られるのが当たり前だろうに・・・。

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by akira-takeuchi | 2010-05-03 23:40 | サッカー

J2第8節・ファジアーノ岡山vザスパ草津

ザスパ草津の関係者には失礼な話かもしれないが、最下位のチームに負けるのだからファジアーノ岡山はもっと弱い。先週ジェフ千葉に勝ったからという根拠のない理由で、今週も勝てると思っていた選手やサポーターは多かったのだろう。しかし千葉に勝てたのは選手全員がハードワークして、守備で貢献することができたから。選手11人全員が100%かそれ以上の仕事をできなければ、最下位相手でも負けるのだとよく認識すべきだろう。世間一般のファジアーノ岡山の評価は、所詮その程度のもの。勘違いや幻想は早いうちに捨てて現実を見据えないと、今シーズンも19位に定着する日はそう遠くないのではないかと思わされた試合だった。

草津の布陣は私が試合前にリサーチしていたとおりの4-4-2だった(一部スタメンは予想と違っていたが)。そして試合全体で考えたときに#6の運動量は群を抜いていた。前半は左SBの#16が左サイドから何度も攻撃に加わってきた。#16、#14に#6が絡んで攻め上がったのは1度や2度ではなかったように思う。そして前半の半ば過ぎ、中央から出たスルーパスに走り込んだ草津FW(?)を岡山DFが倒してPKの判定。これを#30が左隅に沈めて1点を先制した。その後は完全に草津の流れになり、岡山はマイボールになってもボールの出し所がなく、あからさまなパスミスでボールを失うという毎度お決まりのパターンの繰り返し。前半は0-1のまま終了したが、草津の左サイドの攻撃を封じるために岡山#9をもっと高い位置に張らせるとかそのたぐいの作戦もあったように思うが、前半だけ見ていたらまったく無策だった。

後半開始早々岡山に得点チャンスが訪れたが、これを逃したことが結果的に響いた。後半になっても岡山は完全に走り負け。ボールを自陣深いところで奪っても、パスを出すコースがない状態がつづいた。草津はおそらく試合前からの予定どおり、体力的に負担のかかる両サイドハーフを順次交代。単純な失策でピンチを迎える場面もあったが、岡山の決定力不足にも助けられた。今季未勝利の草津にとって最後の15分ほどは非常に長く感じたと思うし、スタンドから見ていても少し混乱しているのが分かったが、どうにか凌ぎきって0-1のままタイムアップとなった。今日の試合を見るかぎり、単純なミスでボールを失わなければ今後草津が連敗することはないようにも思えた。今季未勝利の相手に地元で零封の完敗を喫するようでは、シーズン終了時の岡山には19位の位置がふさわしいのかもしれない。

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by akira-takeuchi | 2010-04-25 23:25 | サッカー

J2第7節・ファジアーノ岡山vジェフ千葉

野村克也トークショーを見に岡山市民会館へ行ったので、録画しておいたJ2の試合は帰宅後見た。正直なところ、こんな試合もあるのかなという印象だった。これだけ一方的な展開で攻め込まれたほうが勝つのは、サッカーでも野球でも100試合のうちで1試合くらいだろう。不確定要素の多いサッカーというスポーツの持つ競技特性ゆえ、引いて守ってカウンター狙いの戦術がはまれば、後半に放った2本のシュートだけでも勝てるのだと痛感した。

ただ、冷静に考えていくと、千葉が岡山の攻撃を少しなめていた節がある。後半、岡山のはじめてのCKのときに、ニアポストに走り込んだ選手が頭ですらして後ろに流すサインプレーを試みた。このサインプレーは実らなかったが、続く2度目のCKでもニアポストのマークは甘く、あっさりと#9が同点ゴールを頭で叩き込んだ。最初のサインプレーを見てCKのニアポストをもっとケアしなかったのは、千葉DFが岡山のセットプレーを甘く見ていたからにほかなるまい。その後、岡山DFの最終ラインがよくがんばったとも言えるのだろうが、千葉の攻撃は精彩を欠いており、楽して勝とうとする驕りを感じた。サイドに散らしたら、次は中央を突くといった工夫が千葉にあってもよかったように思う。結局、千葉陣内でのセットプレーからのカウンターが決まり、終了間際に岡山#10が決勝ゴールを挙げて2-1でタイムアップとなった。

こんな内容の試合をビデオで見ても、次の対戦相手の草津は何の参考にもならないだろう。90分のうち80分くらいは自陣に引いて、岡山がただはね返すだけ。強いて言うなら、岡山のセットプレーに注意することと、攻撃する時は岡山DFの最終ライン4人を外におびき出すように攻めたいということくらいか。なかば泥棒同然のやり方で毎回勝利を盗み取ることができるほどこの世界は甘くないと岡山は心得ておくべきだろう。試合中の実況を聞いてふと思ったのだが、この試合ではビジターセクションのチケットが完売になっていたという。たかだか7000人程度の観衆でスタンドには空席が目立つというのに、一部の席種が売り切れているというのは不自然な話だ。前売りチケットの販売状況で席種ごとの需要は把握できるはずなので、バックスタンドの緩衝席をずらしてアウェイ席を拡大するなどの柔軟な対応を望みたい。
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by akira-takeuchi | 2010-04-22 01:44 | サッカー

J1第4節・ガンバ大阪vベガルタ仙台

高校野球を見ていた1時間半後に、サッカーのJリーグを見るのは貴重な経験だ。決まりごとが多くてプレーごとに合い間のある野球と違って、基本的にプレーが流れっぱなしのサッカーはよそ見もメモ書きもできないから、ここしばらく野球漬けの私の目と頭にはいたく新鮮なものに映った。高校野球終了後、甲子園球場から阪神電車で梅田に出て、JRに乗り換えて茨木駅へ。さらにバスで万博記念競技場に到着し、前半20分過ぎからアウェイゴール裏でこの試合を観戦した。

最近はサッカーの試合を見るときバックスタンドに陣取ることが多いので、ゴールの真後ろからのフィールドビジョンがこれまた斬新だった。スタンドに着いたときには、すでに仙台サポーターたちがベガルタの応援歌を歌っていた。久しぶりに聴くベガルタの応援歌が気になってしまって、しばらくの間グランドでのプレーを集中して眺めることができなかった。PLの応援でも東海大相模でも、それほど気にならずに高校野球の試合を観察できるのは、その応援に慣れていてある程度の耐性が身についているからなのだろう。そして半年ぶりに聴くベガルタサポーターの歌声には、やはり心を惹きつけるものがあるのだと感じた。

試合は前半を0-0で折り返したが、後半開始早々に仙台が#10のPKで先制した。その後は一進一退の攻防が続いたが、後半30分過ぎにG大阪も#7のPKで同点に追いついた。これで勢いづいたG大阪は後半40分、右サイドからのクロスに#14が合わせて2-1と勝ち越した。このままタイムアップかとも思われたが、終了間際の仙台のCKに対してG大阪DFが痛恨のハンド。これがまたしてもPKとなり、再び仙台#10がゴールに沈めて2-2の同点に追いつき試合終了となった。仙台は先に点を取ったあとの1-0の段階で早く2点目を取りたかったが、左からのクロスに#9(?)が合わせたシュートは惜しくもクロスバーに阻まれた。ガンバの得点は2点とも右サイドから崩したものだった。

全体を見渡しにくいゴール裏から見ていても、ゆっくりしていてミスが多いJ2に慣れた目には、正直なところJ1はすべてが速いと感じた。とにかくトラップやパスなどの技術が正確で、瞬く間にダイレクトのパスがつながる。そしてタイミングを見て逆サイドに待つフリーの選手にボールが展開される。これが同じ競技なのかと思うほど、ゴールからゴールまでが短く感じた。先制していながら2点目を早い段階で奪えなかった仙台は、実質的に負け試合だったのかもしれないが、終了間際のハンドに救われたといえよう。それにしても、この試合を見るかぎりでは、G大阪の最近の不調がうそのようにも思われた。

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by akira-takeuchi | 2010-03-29 22:24 | サッカー