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W杯開催国・大陸間持ちまわり制廃止に思うこと

2014年のサッカーW杯開催国が、ブラジルに決定した。といっても、何年か前に2014年の大会を南米で開催することに決まった段階で、ブラジル以外の南米の国が開催することは不可能と目されていた。FIFAとしては、茶番じみた出来レースで開催国をブラジルに決定したくなかったらしく、対抗の候補地としてコロンビアに立候補させた(らしい)。しかし1986年のW杯のときに開催地がコロンビアに決まっていたのに、大会の1年くらい前になってメキシコに代替開催された現実を私は知っている(コロンビアで大きな地震があったため)。そんなわけで、コロンビアにW杯が開催できると思っていた人間はこの世にひとりもいなかっただろう。結局、コロンビアが立候補を取りやめ、対立候補のないままにブラジルがW杯開催国に決定した。

この決定に、異を唱えるつもりはない。サッカー大国・ブラジルでの開催を心から歓迎する(ただし私が現地へ観戦に行くかどうかは別)。それより、もう50年以上もこの大国でW杯を開催していないことのほうが問題だったと思う。たしかにブラジルはリオやサンパウロにスラム街があり、治安面において一抹の不安はぬぐえないと思う。しかしそうはいっても、経済的に破綻したアルゼンチンで開催することが困難である以上、南米で開催地を選ぶとブラジルしかないだろう。南米の国なら、どこの国にもスラムはあるだろうし(すいません、あくまで偏見です)。

それはさておき、FIFAはこの2014年大会のブラジル開催決定を機に、開催国の大陸間持ちまわり制を廃止すると発表したようだ。2018年の大会以降は、直前の2大会を開催した大陸以外の国での開催を可能とするとのことである。その理由は、2014年の開催国決定においてブラジル1国しか立候補がなく、開催国決定が公平性に欠けるというのだから笑える。おいおい、それじゃあ、2002年からアジア→欧州→アフリカ→南米と来たのに、北米と豪州の大陸がないじゃないか。1994年に米国が開催しているから北米大陸はいいとして、豪州大陸はFIFAにとって単なる島だったってことか?


ここからは私の邪推だ。思うに豪州はもともとオセアニア枠だったが、FIFAに(金を払って)頼み込んでW杯本大会に出場しやすいアジア枠に組み込んでもらった。その代わりに、W杯開催国の恩恵に浴することができなくなったのではないかと(豪州開催=アジア枠での開催となるため)。近年、豪州ではケガの多いラグビーやオージーフットボールより、サッカーの競技人口が増えつつあると聞く。2006年のドイツW杯における豪州の活躍は聞くに新しいが、開催国として豪州がW杯に参加すれば上位進出も望めただろう。さらに豪州は1987年と2003年にラグビーW杯を開催しており、W杯の開催国としての器は十分に持ち合わせているだけに残念である。

もともとW杯開催地の大陸持ちまわり制は、ブラッターがFIFA会長選挙の選挙対策としてアフリカや南米の票を確保したかったから始めたものだ。サッカーの世界的普及のためにアフリカや南米でもW杯を開催させてやるから、俺に一票入れろ、と。そして投票数だけ多くて富の少ないアフリカと南米での開催が決定したところで、大陸持ち回りは廃止かよ。まっとうな民主主義なら、ちゃんと6大陸すべてをまわってから開催国の大陸間持ちまわり制を廃止するのが筋というものだ。そんなわけで、FIFAのご都合主義(拝金主義)がそこかしこに垣間見える。そうはいったところで、日本もアジアで初開催という名目のもと、共同開催とはいえW杯を誘致に成功したわけだから、大陸間持ち回りの恩恵には浴した勝ち組といえよう。

こうなってくると、2014年のブラジル開催には目もくれず、世界中が2018年以降の大会を開催することに躍起になる。2006年の大会で開催地に立候補してドイツに敗れたイングランドをはじめ、米国、中国、中東諸国などが10年も先の2018年大会の開催を狙っている。日本もそのひとつといえるが、すでに出遅れの観は否めない。加えて、FIFAに積めるであろう金額も日本は中国や中東諸国に引けを取る。次にアジアでW杯を開催する国があるとすれば、それは中国か中東での共同開催だろう。

そもそも、FIFAがサッカーの国際試合のピッチに人工芝を導入したいともくろむ本当の理由は、W杯を砂漠地帯でも開催できるようにしたいからだといわれている。要するに、中東のオイルマネーがFIFAの目的なのである。風に舞い散る砂漠の砂がエンジンに入るためまともに車が走らなくなるのに、近年フォーミュラワンでさえ中東で開催されている。そう考えていくと、砂漠地帯でサッカーのW杯が開催されてもおかしくはないように思える。ただ、砂漠地帯は気温が高くなりすぎる。サッカーの世界的発展は私の望むところであるのだが、その競技特性を鑑みるに気象的に過酷な地でおこなうW杯はサッカーの持つ面白さをスポイルするものだと認識しておきたいところだ。
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by akira-takeuchi | 2008-02-02 14:10 | サッカー