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2010年度サッカー審判更新講習会

2010年度サッカー審判更新(3、4級)の講習会に行ってきた。10年以上前に4級の審判講習会に参加して以来、毎年更新講習には参加している(自費で)。サッカーのルール解釈については、FIFAや日本サッカー協会から毎年のように細かい変更がなされる。今では私はサッカーをプレーすることはないのだが、ルール解釈に関する最新の情報を聞くことができるので、更新講習は貴重な機会なのである。

今回の講習でも、オフサイドのルール解釈について変更がなされていた。というか、一文(長くなるため敢えてこの場に記載しないが)が追加されていた。この変更が、昨年のEURO2008のオランダvイタリアの試合で、ファンニーステルローイが決めた1点目がきっかけとなっていることは明らかだった。要約すると、プレー中にフィールドから離れたDFは、次にプレーが停止するまでは、ゴールライン上にいるものとみなされるという解釈になるそうだ。

つまり、この一文が追加されるまでは、あのファンニーステルローイのゴールはオフサイドであり無効だったという判断も可能だったわけか?一文追加したということは、ルールに不備があったことを認めているわけだし(笑)。実際には試合後に、UEFAがオンサイドだったと公式の見解(というか単なる解釈)を発表したようだが。

しかしこれがもし、イタリアのDFパヌッチ(GKと衝突してゴールライン外に吹っ飛ばされていた)が衝突の影響で骨折などの負傷を負ってしまっていた場合には、当時のルール解釈では負傷してフィールド外に出ていると判断され、すぐにプレーに戻ることのできるDFとみなされないから、オフサイドになってしまっていたというわけか。なんともあいまいなルール解釈といえるし、サッカーのルールなんてものは所詮その程度のゆるい規定でしかないことが多いからね。

まぁ・・・、オランダvイタリアの試合でのファンニーステルローイのゴールに関しては、オフサイドというルールの趣旨に鑑みて判定すれば、オンサイドだったという判断は妥当だったのかもしれない。でももし私がこのとき線審をしていたら、ほぼ間違いなく旗を上げてオフサイドを取っていたと思う。理由は、パヌッチはフィールドの外にいるのでDFに数えないと判断するから。それが正しい判断であるとも、間違った判断であるとも、説明はできないと思う。今後は、ルール解釈に一文が追加されたから、同じような事例に当たったときに旗を上げないようにすればいいだけのことなのだろう。

それにしても、このファンニーステルローイのゴール(オフサイド)について、ネット上で好き勝手なことを言っている人々の多いこと。たいした根拠もなく、単なる思い込みでああだこうだと論った文章を目にしても、得るものはまったくなかった。やはり正しいルール解釈を勉強したうえでサッカーを見ないとね。

このオフサイドの解釈以外にも、試合中に退場者が出て11人対10人になったあとのPK合戦では人数が多いチームのプレーヤーの数を減らして同数としてからPK合戦をおこなわなければならないとか、以前はベンチに戻らなければならなかったテクニカルエリア内で指示した役員(監督)はベンチの所定の位置に戻らなくてもよくなったとか、いろいろな変更点を教えてもらった。サッカーでも野球でも、ルールについては正しい知識を持ち合わせていたいものだ。
by akira-takeuchi | 2009-11-08 23:36 | サッカー
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