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J2第10節・ファジアーノ岡山v栃木SC

自宅から競技場へ向かう2号線バイパスは比較的すいていた。ところが競技場周辺の道路が激混みで、車を止めようともくろんでいた岡山市内某所付近は長蛇の列。それでも何とか車を止めて競技場へ向かったが、スタンドに着いたときすでに栃木のスタメン発表は終わっていた。車を止めたあとでスタジアムまで少し走ったが、それほど日差しが強いわけでもないのに結構蒸し暑いと感じた。この気候だと、リードを許して追う展開になったチームは体力的に厳しいだろうと試合前に感じていた。

試合前に両チームについて簡単にリサーチをしていた。栃木は堅い守備が持ち味で、前線の4人で攻撃の形を組み立てるという。対する今季の岡山は3バックだとか。現在の両チームの成績を考慮すると、岡山の3バックが栃木に押し込まれて5バックになる展開は容易に想像できた。やがて試合が開始される。拮抗した攻防が5分ほどは続いたが、案の定技術に勝る栃木が押し込みはじめる。個々人の技術、パスワーク、フィールドビジョン、ボールへ仕掛けるスピード、そしてチーム全体の意思統一、すべてにおいて栃木が上回っている。たしかに栃木に細かいパスミスも散見されるが、ボールを失ったとしても奪い返すスピードがまた速い。岡山はさしたる攻撃機会もないまま防戦一方となり、前半の20分過ぎに栃木が左CKから#23のヘッドで先制し、さらに前半のロスタイムにはCKからのはね返りを#11がきれいに流し込んで0-2とした。

前半の出来だけ見ていたら栃木の圧勝も予想されたが、不確定要素の多いJ2ゆえどうなることかと思いながら後半を眺めることにした。岡山は後半開始から、#10と#22を投入して得点を狙いにかかる。ホームチームが得点を狙って前がかりになることは、競技場にいたすべての人が分かっていたことだ。しかしこんな初歩的なことすら分かっていなかったのが山内宏志、今日の主審である。前半と違って速いペースで岡山が攻撃したせいで目(足?)がついていかなくなったのか、後半開始から意味不明の笛とカードを連発。最初のうちは、ある程度納得のいく判定にも思えた。ただ、前半と基準の異なる笛に両チームの選手は混乱したに違いあるまい。そんな最中、FKからのこぼれ球を岡山#10が押し込んで1点差とする。ところが主審は勢いづいた岡山の攻撃に水を差す笛を吹き、岡山の選手にも栃木と同数のイエローを提示。同点ゴールを目指すべく攻撃を続ける岡山に対して、栃木は後半半ば過ぎに#7が2度目のイエローで退場になったが、このファウルのときには両チームの選手が言い争いになっており、秩序だった試合の体をなしていたとは言い難い。分かっていることではあるが、J2はプレー以外の面のレベルが相変わらず低すぎる。そしてたとえ首位といえども、栃木は1人減ってはさすがにハンデが大きすぎた。これでさらに勢いづいた岡山は左サイドの#30、交代出場した前線の#10を中心に攻撃を仕掛けて栃木ゴールへと迫る。後半終了間際に岡山が左CKからゴールを陥れたかに見えたが、GKに対するファウルがあったらしく線審に確認の末、取り消しに(その後映像を見たが故意ハンドがあったようだ)。ゴールラインを越えたかどうかの確認であれば線審にするものだが、20メートル以上離れたコーナーフラッグの位置にいる線審が、GKに対するファウルを目視できるわけなかろうに。しかし栃木GKの判断ミスで得たその後の左CKから、こぼれ球をまたも#10が押し込んで2-2の同点となり、試合はそのままタイムアップとなった。

全体的な印象としては、前半に見せた栃木の攻撃が素晴らしいものであったことに疑いの余地はあるまい。前節地元で京都に勝った実力は、フロックではなかったということだ。蒸し暑い日本の夏の時期に同じサッカーを展開できるかどうかは分からないが、好感度の高いサッカーであるといえよう。それに対して岡山であるが、今日の試合は劇的な展開だったし、2点目を奪ったことは立派だったと認めるが、同点に追いついたことに満足しきって前半の不出来さ加減を忘れてしまっている輩の多いことにあきれてしまう。客観的に90分を見渡せば明らかな負け試合だったところを、審判の判定に援助されてようやく引き分けに持ち込んだという印象だろうに。おまけに試合後に“勝ちに等しい引き分けでした”などとアナウンスしているのだから、このチームが強くならないのもうなずける。それ以外で気がついたこととしては、試合の終盤に岡山のセットプレーが連続したが、そのたびに周囲でマフラーを回されて視界を遮断されるのには甚だ辟易した。他人様の視界を遮って何がうれしいのか理解に苦しむが、いい加減に低俗な行為はやめたらどうかと思う。審判の不可解な判定により混乱の生じた試合となった感は否定できないが、それでも前半に栃木が組み立てた攻撃を見ることができただけで15ドルを支払った価値はあった試合だった。

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by akira-takeuchi | 2011-05-04 22:25 | サッカー
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